「干しアワビ」は、中国料理の中でも、最高級素材の一つです。
中国料理の最高級海産物を表す、『鮑参翅肚』という言葉があり、
それぞれ、“干しアワビ(乾鮑)”、“干しなまこ(海参)”、“ふかひれ(魚翅)”、“魚の浮き袋(魚肚)”の4つの海産乾物が挙げられています。
フカヒレも、高価な食材ですが、
干しアワビは、それ以上に高価な食材です。
何グラム何千円…という世界で、
同じ大きさの生のアワビの何倍もの値段になります。
値段を見ると、正直ひいてしまいますが・・・
元のアワビ自体も高価で、
さらに、それを加工して、乾物に仕上げる時間、手間、技術
乾物にすることによって、
鮑の旨みが凝縮されて、
ワンランク上の味と旨みとなり、食材自体も更に珍重され、
そして、
干しアワビを料理する際には、
その戻し方には、高い技術が求められる上、
戻すだけでも、何日もかかり、
その時には、金華ハムや鶏、豚など
材料をさらに存分に使って調理されるので・・・
確かに、値段が高くなる要素は盛りだくさんです。
ちょっと話が飛びますが、
中華の最高峰ともいえる4つの食材ですが、
その中の3種類、
干しアワビ、干しなまこ、フカヒレは
昔から、日本産の物が最高級品として
本場でも珍重されています。
フカヒレなら気仙沼が有名で、
干しなまこも、
香港の乾物専門店でも、
「関東刺参」「関西刺参」というふうに、
日本産が、さらに区別されて、一級品として売られています。
なのに!?
フカヒレは、まだいいのですが、
干しなまこ、そして、特に干しアワビについては、
日本では、なかなか買えないという
あり得ないような話になっていたりします。
(当店でお出ししているなまこ料理の干しなまこも、香港経由の“里帰り組”が多いです。)