【ワイン名】
ワインハンター レッドワイン 珍珠獵人紅葡萄酒 / WINE HUNTER RED WINE
【ワイナリー】 ジンユーフー・ワイナリー 金玉湖酒莊 / CHIN YU HU WINERY
【産地】 彰化縣二林鎮/台湾中部 【アルコール度数】 11%
【ぶどう品種】 『ブラッククイーン』100%
【おすすめの中華】 青椒肉絲or.牛肉絲、豚あばら肉の煮つけ etc.
【店内販売価格】
(2021.09.11)
二林鎮のほとんどのワイナリーのワインを試飲できる、体験型農業観光施設“台湾セラー(台湾酒窖)”で様々な当地の赤ワインを
試飲している中で、ひときわ自分に強い印象を残したワイン、他のワインとは一味違った香りと味わいを感じさせてくれたワインが、
この『ワインハンターレッドワイン』でした。
このワインに使われているブドウ品種「ブラッククイーン」は、日本で育種された欧米ハイブリッド系のワイン醸造用ぶどう品種で、
一般的に、色の濃い、豊かな酸味を持つワインに仕上がるのが大きな特徴です。現在、台湾でも赤ワイン用の主要品種として多く
のワインで使われています。
台湾の赤ワインづくりはもともと、政府の専売商品として作られてきた大きな流れとは別に、ブドウ農家さんが自分たちで飲んだり、お友達に送ったりするために自家醸造していたワインから現在に至るという大きな流れもあり、そのような伝統的な手作り赤ワインのほとんどは、甘口に醸造され、その味わいが広く好まれていました。
現在の台湾産赤ワインも、その流れを汲んだ造りとして、そして、主要品種である「ブラッククイーン」の大きな特徴である“豊かで
強い酸味”を活かす造り方のひとつとして、やや甘口~甘口の赤ワインや、赤のフォーティファイドワインが多く作られています。
一方、辛口の赤ワインも、国内外のより多くの方々へワインを届けるべく、より世界的なグローバルスタンダードを意識しつつ、
台湾で作られるからこその“オリジナリティー”を併せ持つ赤ワイン造りを目指し、その研究・新しい生産技術の導入や研鑽も広く
進められており、登場しています。
『ワインハンターレッドワイン』は、栽培醸造家である廖さんの巧みな樽熟成などに由来する、豊かなカシスなどの黒い果実の香りや、寄り添うようなラズベリーなどの赤い果実の香りが合わさったフルーティーな香りと、カカオやほのかなクローブ、胡椒のような
スパイシーな香りのバランスが絶妙でエレガントなファーストノートが印象的です。
スワリングする度に、そして、グラスに注いでからの時間の経過とともに、台湾の“烏梅”(燻製干し梅)や“酸梅湯”のような、
台湾のオリジナリティーを感じさせるようなオリエンタルな香りや、香りのベースを下支えしてるかのような清涼感のあるハーブ系の
香り、上記のスパイス系の香りもさらに顔を出し、香りのボリュームや厚み、多面性や複雑性、バランスの良さを楽しませてくれます。
ぶどう由来の豊かでハツラツとした酸味は、酸味の利いた味わいがお好きな方にはより気に入って頂けると思いますし、こちらでも樽熟成などによる滑らかなタンニンやオリエンタルでスパイシーな風味は、酸味をただ強いだけでない、ハツラツとしながらも刺々しさを抑え、個性的な味わいをその奥に感じられるものにしており、特に“火と油の料理”である中国料理、その中でも、濃いめの味付けの煮込み系のお料理との相性はとてもいいのではと感じさせてくれます。
金玉湖ワインファクトリーのオーナー、栽培醸造家の廖さんは、1990年代に自らが生まれ育ち、慣れ親しんだ実家のぶどう畑を引き継ぐかたちで、まずはご両親と共に専業ぶどう農家としての一歩を踏み出しました。
その頃、様々な情勢変化や政府の政策により、それまで続いていた、当時台湾で唯一の公的
ワイン醸造所であった“台湾省 煙草酒公売局 南投酒廠”(『オマー・ウイスキー』で名高い、
現 南投winery&distillery)との、ワイン醸造用ぶどうの専属栽培契約が打ち切られることと
なり、栽培したぶどうの行き所を失くした二林鎮の多くのぶどう農家さんは、ドラゴンフルーツや
その他作物への転作や、農地転用などを余儀なくされていました。
廖さんもその変化の波の渦中にありながら、両親より引き継いだブドウの樹を切り倒して
しまうのも忍びないとの思いと共に、二林でのワイン用ぶどう栽培、そして、台湾でのワイン
生産に関わる文化を継承すべく、その後の民間での酒造製造の許可政策にともない、ぶどうの
栽培からワインの醸造、瓶詰めまでを一貫して手掛ける、ドメーヌ方式の金玉湖ワイナリーを
設立し現在に至ります。
こちらのワイナリーのぶどう畑には、ピクニックやバーベキューで集まりたくなるような、広く明るい芝生広場の真ん中に通る1本の
エントランスロードを通って向かいます。そこには、藤棚のような“パーゴラ”も設けられ、お天気のいい日には、そこにテーブルや
チェアがセッティングされ、ワイナリー訪問客をお迎えしてのワインティスティング会や食事会が催されることも少なくありません。
ぶどう畑は、眼前一面に広く整然とぶどう棚が拡がり、そこには「ブラッククイーン」「ゴールデンマスカット」の2大品種をはじめ、
「真香(台中1號)」「台中2號」などの台湾オリジナルの各種ワイン醸造用ぶどう品種も多く植えられています。
ジンユーフー・ワインファクトリー facebookページ(中国語)
『醸造は…“魔法”であり“芸術”であり“技術”でもある』(醸酒、是新奇多変的、是魔術是芸術、亦是技術)という廖さんの言葉は、
ご本人の、ぶどうの栽培はもとより、ワインの醸造への考え方と並々ならぬこだわり、取り組み方をよく表していると思います。
この赤ワインに名付けられた『珍珠獵人:真珠のハンター』という名前にも、廖さんのワイン造りに対する思いが投影されています。
~ とあるハンターが獲物を追い続けているうちに、深い森の中で来た道を見失ってしまい、
五里霧中で、喉も乾き疲れ果てながらも進むべき道を追い求めるうちに、ハンターは1本の
ブドウの樹を見つけ、その樹に生っている、まるで“真珠”のようにも思える貴重なぶどうの実を食べることにより新たな活力を得て、さらなる道を進んで行く ~
ワイン造りの中での様々な困難やそれを乗り越えるプロセス、常にハンターのようにワイン
造りに向き合いさらなる挑戦を追い求めること、ブドウに対する愛着、そして、貴重なブドウから
作るワインが飲んでくれる方にとって“元気の源”になれるように…様々な思いや希望が
ワイン名にも込められています。
廖さんは赤ワインのみならず、白ワインも得意としており、それら数種類もとても高い評価を得ています。2015年、2018年には、毎年秋に二林鎮の農協(二林鎮農会)が主催するワイン品評会『紫晶盃(アメジストカップ)』の最高白ワイン賞を受賞しており、また、個人的にも
ワイナリーで試飲させていただいた「真香(台中1號)」ブドウを使った白ワインの余韻の長い
厚みのある味わいに深い印象を持っています。いつか、それらの白ワインのご紹介ができる
機会もあればいいなと願っております。
欧米ハイブリッド品種の「ベイリー」と欧州系品種の「ゴールデン・クイーン」を
交配して作られた欧米ハイブリッド品種で、1927年に新潟県、岩の原葡萄園の
創業者で“日本ワインの父”のひとり、「マスカット・ベーリー・A」も生み出した
川上善兵衛氏によって育種された品種です。
台湾には1960年代に導入され、現在、台湾産赤ワインの主要品種として
その地位を築いています。
豊かな酸味が大きな特徴のひとつのブドウで、そのワインは煮込み料理などの濃厚な中国料理にもよく合う味わいに作られることが多いブドウ品種です。
【ぶどう栽培地】 彰化縣二林鎮の自社畑/北緯23.5度/標高10~20m 【気候】 温帯夏雨気候/年平均降雨量:1200㎜前後/夏季:高温多湿、冬季:温暖乾燥
【地形】 沖積平野…“濁水渓”扇状地の扇央に位置 【土壌etc.】 粘板岩質沖積土壌、細砂壌土
【栽培】 棚式栽培、二期作(6月~7月収穫及び12月~1月収穫) 【収穫】
【発酵】 発酵槽で約15日間 【熟成】 熟成貯蔵槽で約180日間 【SO2】 添加あり
【清澄~瓶詰】 自然沈殿を経て澱引き後、濾過機でワインを濾過・清澄、瓶詰め後60℃で約30分殺菌
『野口』交差点を南へ。
3つ目の信号『加古川卸売市場』交差点を右折。
進んですぐ右手。播州信用金庫野口支店さん、お隣。
■第一駐車場、第二駐車場合わせて:38台
■詰め合ってご駐車いただいた場合:50台
店舗そばに専用駐車場駐車スペースをご用意いたしております。
また、玄関先でお車から乗り降りして頂けます。店内エレベーターがございます。